箱根の民話

■天邪鬼の棲む山、箱根

箱根民話その1

◇峠と民話◇

箱根峠をはじめ、東海道の各峠には多くの伝説や民話が残っている。 薩た峠には『親知らず子知らず』という悲しい民話、宇津の峠には旅人を苦しめた鬼を退治したことを伝える『十団子の由来』、日坂峠には道半ばで力尽きてしまった妊婦がその死後に赤ん坊を生んだという『夜泣石』の伝説がある。

徒歩で峠を越える折の苦しみや不安、峠の鬱蒼とした暗い雰囲気から、峠はとても辛い場所、親しみがたい場所、人の命を脅かす者がいる場所として人々に意識されていた。

例にもれず箱根峠にも多くの伝承が残っており、特に天邪鬼が登場する話が多い。 箱根固有の天邪鬼伝説としては、「二子山の天邪鬼」が特に有名である。 これは、箱根の二子山にすむ天邪鬼が、富士山の美しさに嫉妬するという話であり、伊豆七島の発祥や二子山の形などの地理的伝承へ発展している。 話中に登場する天邪鬼は、人間味のあるひょうきんな姿で描かれており、とても親しみやすい民話として広く伝わっている。

また、箱根固有ではないが、天邪鬼が登場する物語として有名なものに「瓜子姫」という民話がある。 瓜子姫は、桃太郎と同じように植物から生まれた人物を主人公とした物語で、非常に古い歴史をもつお伽噺である。 鶴の恩返し 箱根で語られている瓜子姫は、とても穏やかな内容であり、子どもも楽しめる物語となっている。

ここで紹介した民話はほんの一部でしかないが、その地域につたわる民話にふれることで、当時の時代背景や状況についての知識が深まり、ただ街道を歩くだけでは味わえない想像の世界を広げることができるかも知れない。

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