照手姫笠掛地蔵てるてひめかさかけじぞう

中世の仏教説話「小栗判官・照手姫」にまつわる伝承の地蔵である。
常陸国(茨城県)小栗城主小栗助重が毒酒のため落命の危機に逢いながらも餓鬼阿弥となり一命を取止める。これを悲しんだ愛妾照手姫は、夫助重を箱車に乗せ、狂女のようになり懸命に車を引張ってここ野瀬まで辿りついた。そして野ざらしで路傍に佇む石地蔵を見つけ、自分の笠を掛けて一心に祈りを捧げたところ地蔵は次のお告げをしたと聞く。
 立ちかへり 見てだにゆかば 法の舟に のせ野が原の 契り朽ちせじ
勇気をえた照手姫は、喜んで熊野に行き療養の甲斐あって夫助重は全快したことから再びこの地に来たり、お礼にお寺を建て石地蔵を本尊として祀った。

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照手姫笠掛地蔵
照手姫笠掛地蔵

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