小金井宿こがねいしゅく(栃木県下野市)

宿場の西側で黄金が取れたという伝承から金井村と呼ばれていた。宿場として移転した際に「小」の字をつけて小金井となったといわれている。小金井宿は、延宝9年(1681年)にでき、宿内の長さは南北約730mであったという。ここは古くから開けた地で、下野国の中心地として栄えていた。

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慈眼寺(じげんじ)
建久7年(1196年)新田義兼の開基で新田一族の祈願所として建立され、ご本尊の十一面観世音は京都の醍醐寺より請来し、厄除の観世音で知られている。
山門を入ると弘法大師作と伝える千手観世音を奉安する、江戸時代の三間四面朱塗りの観音堂がある。
金井神社(かないじんじゃ)
本殿の建築様式は一間社三方入母屋造といい、壁面には透彫りや丸彫りなどの立派な彫刻が施されている。
この彫刻は江戸末期(1800年代)の製作と考えれ、作者は磯部氏系統そ彫刻師であろうと推定されている。本殿の素材にはけやきが用いられており、素木造で彩色はない。
屋根は栩葺きで壁面には当時の人びとの名前が刻まれており、両側には彫刻の施された脇障子が付いている。
俳諧の句碑(はいかいのくひ)
この碑は、文化4年(1807年)に小金井宿蔵田屋(大越家)の屋敷内に建てられた、俳句の句碑である。
句碑の一面には慈眼寺三十世住職である、宜照による四季の発句と、江戸談林俳諧の頂点にあった、谷素外の発句の下に、小金井宿の俳人12人の発句が刻まれている。
蓮行寺(れんぎょうじ)
将軍が日光社参の際に、ここで宇都宮城主が出迎えたという。
1329年の開基である。
薬師堂(やくしどう)
この本尊は奈良時代の僧、行基の作といわれている。

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