名主(なぬし)

江戸時代の村役人、村方三役(名主・組頭・百姓代)が、村落内の行政を行っていた。その代表を、東国では名主、西国では庄屋と呼んでいた。

この時代、領主側の支配機構と百姓側の接点として、村役人の中ではもっとも重要な役割を担っていたのが名主だった。名主は、村内でもっとも家格の高い百姓であり、また知識層でもあった。主な仕事は、年貢の取立・管理・戸籍事務・諸書類の作成や他村・領主との折衝など、村政全般を取りあつかっていた。
そのために名主の仕事は、たいへんな知的能力と事務能力を必要とされ、「読み書き」「そろばん」が出来なくては、勤まらなかった。
名主はその職務に対して、年貢の免除や給米・引高などのかたちで、役料をもらっている場合が多かったようだ。また、衣料なども一般の百姓では着ることのできない、絹・紬などを着ることが許されていた。

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